肩こりの正体と向き合い方:日常に潜む“重さ”との付き合い方

現代人の多くが抱える不調のひとつに「肩こり」があります。デスクワーク、スマートフォンの長時間使用、運動不足など、さまざまな要因が絡み合って生まれるこの症状は、時に“ただの肩こり”では済まされない深刻な問題を引き起こすこともあります。肩こりとは一体何なのか、なぜ起こるのか、そしてどう付き合っていけばいいのか。今回はその正体に迫ってみましょう。

肩こりとは何か?

肩こりとは、首から肩、背中にかけての筋肉、硬くなり、血流が悪くなって痛みや重だるさ、張りを感じる状態を指します。筋肉が緊張し、酸素や栄養が十分に行き渡らなくなることで、疲労物質がたまり、こりや痛みが発生します。ただし、この「こり」は単なる筋肉の疲労だけでなく、精神的なストレスや自律神経の乱れ、内臓の不調が関係している場合もあり、症状の奥には意外な原因が潜んでいたり、色々な要因が複雑に絡みあっていることもあります。

なぜ肩がこるのか? ― 原因を探る

1. 姿勢の悪さ

もっとも代表的な原因が「姿勢」です。猫背や前かがみ、スマートフォンやパソコンを長時間見つめるような姿勢では、頭が前に出て首や肩の筋肉に大きな負担がかかります。頭の重さは成人で約5kg(ボーリングの球ぐらい)と言われており、その重さを支え続ける首・肩の筋肉は、常に緊張状態におかれます。

2. 運動不足

筋肉は動かすことでポンプのように血液を循環させる役割を果たしています。運動不足になると筋肉の最大限の伸び縮みをしなくなるため、ゴムの伸びが悪くなるかのようになります。さらにひどくなると石のような塊りとなり、血行不良が進み、疲労物質がたまりやすくなります。とくに肩周りは意識して動かさないとすぐにこりやすい部位です。
逆に、運動のし過ぎや、フォームの悪さ、力み、ケア不足でによってもこりが生じることもあります。

3. 目の疲れ

デジタル機器の普及により、長時間画面を見る生活が当たり前になりました。目の筋肉が疲れると、それに連動して首や肩の筋肉も緊張します。眼精疲労と肩こりは密接な関係があります。

4. 精神的ストレス

ストレスは筋肉の緊張を引き起こす大きな要因の一つです。ストレスを感じると交感神経が優位になり、血管が収縮し、筋肉がこわばります。これが慢性的な肩こりを生む原因となるのです。

5. 内臓の不調や病気

一見関係なさそうな内臓の不調や疾患も、肩こりを引き起こす場合があります。たとえば、心臓や胃、肝臓の不調が反射的に肩に痛みやこりとして現れる「関連痛」もその一例です。また、二次性の肩こりと良いものあり、椎間板、椎間関節などの身体の構造的な部分に負担がかかり、肩が凝っているとうい症状がでることもあります。

肩こり解消のための対処法

それでは、肩こりを和らげるにはどうすればよいのでしょうか。いくつかの方法を紹介します。
まずは姿勢やケア不足、筋肉に負担がかかっているものに対しての対処方法をお伝えします。

1. ストレッチや体操

肩甲骨を動かすストレッチや、肩回し、首をゆっくり回す運動など、簡単な体操でも筋肉の血流を改善する効果があります。特にデスクワーク中は、1時間に1回は立ち上がって肩を動かすのが理想的です。じっとしていれば、筋肉の伸びは悪くなり、必ず縮まっていきます。さらに、姿勢が悪い、長時間の仕事となると、さらに疲労が溜まい、どんどんと筋肉が負担が負担がかかっている伝えるために、肩こり、重たさ、張りなどの症状として訴えてきます。とにかく、じっと同じ姿勢をしていること、長時間悪い姿勢をしていることは悪になります。まずは、身体を動かす、姿勢を変えるなどを意識してみるだけでも変わってくると思います。当施設では、まずどこに硬さがあるのか、その強さはどうかをチェックし、しっかりとゆるめ、そこからご自身にあったストレッチや体操の指導をさせて頂きます。

2. 湯船に浸かる

シャワーだけで済ませず、38〜40度くらいのぬるめのお湯に15〜20分浸かることで、全身の血行が促進され(温かさによる血管拡張、水圧からの解放による血管の拡張)、筋肉の緊張がやわらぎます。入浴は心身のリラックスにもつながり、ストレスの軽減にも効果的です。
よく入浴後のストレッチが良いんですが?と聞かれますが、皮膚や筋肉が温まると、ストレッチの時の痛みが感じにくくなり伸ばしやすくなったり、血流が良くなっているため筋肉にゆるみができ、ストレッチ効果が高まります。

3. マッサージや鍼灸

一時的にでも筋肉をゆるめたいときには、マッサージや鍼灸が有効です。ただし、根本的な解決にはならないこともあるため、定期的なセルフケアと組み合わせるのがおすすめです。
でも辛いものを少しでも解消したいですよね。当施設でもまずは、身体が楽になることを優先しますので、しっかりとゆるめます。

4. 姿勢の改善

モニターの位置を目の高さにする、椅子に深く腰掛ける、顎を引いて頭の位置を正すなど、姿勢を整えることは最も重要です。最近では姿勢矯正用のクッションやグッズも多数販売されています。
まずは自分の姿勢にクセがある場合もありますので、チェックをしましょう。すぐに戻せないぐらい硬くなっている方もいますので、その場合は、良い姿勢をとれるようなほぐし、ストレッチからはじめていきます。

5. 運動習慣をつける

ウォーキングや軽い筋トレ、ヨガやピラティスなど、継続できる運動を取り入れることで、筋肉の柔軟性や血流が改善され、肩こりの予防・軽減につながります。筋肉は30代を過ぎれば、悲しいぐらい衰えていきます。そこに運動習慣がなければ加速時に…いつの間に!!とうい感じです。
私自身、運動の重要性を理解し、何をした方が良いかもわかっていますが、習慣化することは難しいですよね。
私がトレーナーとなりみなさんを優しくサポートいたします。

放っておくとどうなる? ― 慢性化のリスク

肩こりは放っておくと慢性化し、頭痛、めまい、吐き気、耳鳴り、腕のしびれといった自立神経症状を引き起こすこともあります。さらに、痛みや不快感が長くつ続くとうつ状態の一因となることもあるため、軽視せずに早めの対処が重要です。痛みが長引くと、最近では、脳が過剰に反応したり、痛みを感じやすくなるように脳の質的な変化が起こると言われています。痛みが続けば、行動が抑制され、さらに運動不足に。痛みがさらに強くなり脳が過敏に…痛いから動かしたくなくなる、さらに硬くなり痛み、脳がさらに過敏にとなり痛みの悪循環となってしまいます。
また、「四十肩」「五十肩」と呼ばれる加齢による肩関節の炎症とは症状が異なるため、「肩が上がらない」「激しい痛みがある」、マッサージや整体、ストレッチやエクササイズ、姿勢を気を付けているのに回復してこない場合には整形外科の受診をおすすめします。症候性肩こりと良い、椎間板、椎間関節などに問題がある場合もあります。また、整形外科だけではなく、頭、目、耳、鼻、歯、心臓、栄養不足、睡眠不足、ストレスなどの原因があることもありますので、動かしても症状が変わらない場合は病院の受診をおすすめいたします。姿勢や筋肉の問題であることが多いですが、軽い症状でも侮らず、慢性化にならないためにも早めの検査、対処をしましょう。

最後に ― 肩こりと上手に付き合うために

肩こりは、現代社会における「生活習慣病」の一種とも言えます。軽い症状から重い症状まで幅広く、多くの方が悩まれています。
日々の小さな積み重ねが原因であり、改善もやはり日々の習慣から始まります。完璧な姿勢や運動習慣を目指すよりも、「今日はちょっと意識して肩を回してみよう」「お風呂でリラックスしてみよう」「30秒良い姿勢をしよう」そんな小さな一歩が、重たいを軽くする鍵となります。

当施設ではこり固まってしまった筋肉をもみほぐし、ひとりひとりにあったストレッチ・エクササイズをおこないます。それだけではなく普段の姿勢、身体の使い方などの体に負担をかける原因を探し、根本から改善していきます。
かゆい所に手が届くではないですが、痛い所・かたい所を見つけるのが得です。そして、みなさん悩んでいる辛さを理解してあげられます。
まずはこりをもみほぐすだけでも気分が変わると思いますので、お気軽にご相談して頂ければと思います。